潰瘍性大腸炎(UC ulcerative colitis)

概念

Crohn病とともに炎症性腸疾患(IBD)に分類される疾患で、主に大腸粘膜を侵し、潰瘍やびらんを形成する非特異性の炎症性疾患です。
病変は直腸から発症し、全大腸に広がっていきます。
発症すると、緩解,再燃を繰り返すことが多く、708年で癌化することがあるため、緩解維持のための治療が必要となります。
1973年より特定疾患治療研究対象疾患の1つに指定されております。
診断された場合、保健所にて続きすると医療費の援助が受けられます。

症状

軽症例では下痢、粘血便などが起こり、重症化すると発熱、腹痛、血性の下痢、体重減少などが出現します。
さらに、関節炎、虹彩炎、皮膚症状(結節生紅斑、壊疽生膿皮症)などの腸管外合併症を伴うことがあります。

疫学

軽症例では下痢、粘血便などが起こり、重症化すると発熱、腹痛、血性の下痢、体重減少などが出現します。
さらに、関節炎、虹彩炎、皮膚症状(結節生紅斑、壊疽生膿皮症)などの腸管外合併症を伴うことがあります。

診断

軽症例では下痢、粘血便などが起こり、重症化すると発熱、腹痛、血性の下痢、体重減少などが出現します。
さらに、関節炎、虹彩炎、皮膚症状(結節生紅斑、壊疽生膿皮症)などの腸管外合併症を伴うことがあります。

注腸X線検査

注腸X線検査:ハウストラが消失し,腸管は狭小化しており,辺縁には棘状突起がみられます.

大腸内視鏡検査

大腸内視鏡検査:強い発赤を呈し,不整な潰瘍が広がっていて,膿性粘液が付着しています.

重症度

発熱、血便回数、便回数、腹痛、頻脈などの身体所見、血沈などの採血所見と、内視鏡所見で評価します。

治療

潰瘍性大腸炎は再燃緩解型(緩解再燃を何度も繰り返す)、初回発作型(初回発症後、再燃しない)、慢性持続型(6ヶ月緩解せず下血が継続する)、急性電撃型(強い症状が急激に出現する)に大別されます。
原則的には各種薬剤による内科的治療が行われますが、重症の場合や薬物療法が効かない場合には外科的治療(手術)が必要となります。慢性持続型、急性電撃型は手術が必要になることが多いです。

内科的治療

軽症、中等症例では5-ASA製剤を投与します。
効果がなかったもしくは重症例の場合、副腎皮質ステロイド薬にて
緩解導入を行います。ステロイドが無効であった場合は、シクロスポリン、タクロリムス等の免疫抑制剤、インフリキシマブ(抗TNFα抗体製剤)あるいは血球成分除去法が行われます。

外科的治療

内科的治療の効果が認められない場合、もしくは症状が増悪した場合には手術適応を検討します。
手術の絶対適応(絶対手術が必要な状態)としては中毒性巨大結腸症、大腸穿孔、大量出血、大腸癌などです。相対適応(絶対ではないが手術が望ましい状態)として内科的治療が無効な場合、また、前癌病変(癌になる手前の病変)であるdysplasiaを認める場合も相対適応となります。
基本術式は大腸全摘出術、回腸肛門吻合術もしくは回腸肛門管吻合術です。癌化した場合には炎症粘膜のどの部位からも発癌する可能性があるため、一般的な大腸癌と違い、病変のみの切除ではなく、大腸全摘出術を施行することとなります。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎

癌・dysplasia合併UCに対する大腸全摘回腸ハV肛門吻合術