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大腸・結腸・直腸・肛門に関連してよくある間違い集
帝京大腸.com/帝京大腸コム,帝京大学医学部附属病院下部消化管外科
- 1)大腸と小腸
- 大腸という臓器は平均1.5mほどの長さの消化管で、主に水分を吸収する役割を担っています。よく、「大腸を切ったら栄養失調になりませんか」という質問を受けますが、栄養の吸収を担っているのは小腸です。興味深いことに、大腸癌はとても多いですが、小腸癌は極めてまれです。
- 2)大腸と直腸
- 大腸がんは大腸に発生する癌の総称ですが、よく受ける質問に「私は大腸癌と言われましたが、実は直腸癌だったのですね。」というものがあります。実際には、大腸は盲腸、結腸と直腸からなる臓器であり、結腸はさらに、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に分けられています。したがいまして、直腸が大腸の一部である以上、大腸癌であり、直腸癌であるというのは、正しい表現ということになります。
- 3)盲腸と虫垂
- 大腸内視鏡検査をしていて最深部の盲腸に到達した場合に、「ここが盲腸です」と説明すると、「私は以前に、盲腸を切っているはずですが?」と怪訝な顔をされることがあります。多くの場合、これは急性虫垂炎で、虫垂切除術を受けたことのある患者さんです。虫垂は、盲腸の先にくっついている細長い臓器であり、容易に切除できる一方、盲腸を切除した場合には、消化管の吻合を伴う複雑な手術が必要となります。
- 4)よくある間違い検索
- 最近、大腸疾患を誤った病名で認識される方が多いようです。
当科HPの検索結果を確認すると 「大腸性潰瘍」「大腸潰瘍炎」「大腸潰瘍」等の病名で検索されている方が多いようです。
しかし、「大腸性潰瘍」とか「大腸潰瘍炎」という言葉は誤りです。
また大腸にできる潰瘍として「大腸潰瘍」という言葉は誤りではないのでしょうが、病名としてはほとんど使われていません。一方、「直腸潰瘍」は立派な病名と言えます。
大腸に潰瘍ができる病気でもっとも一般的なのは、「潰瘍性大腸炎」であり、この病名が誤って様々なバリエーションで覚えられているのかも知れません。
大腸、小腸、結腸、肛門疾患の専門医、病院をお探しなら、帝京大学医学部附属病院下部消化管外科にご来院ください。
当院は、東京にある大学病院です。 東京都板橋区加賀「十条駅」近くのアクセスしやすい場所にございます。
下部消化管外科公式サイトである「帝京大腸.com(帝京大腸コム)は、初診の患者様はもちろん、連携病院、クリニックを運営されている開業医の方々、研修医・・医学生・医師を志す学生の方の為に日々の活動報告を行なっています。また、当診療科の医師が日々の活動内容をブログ投稿している点も特徴があります。
帝京大腸.comのブログの題材としては、
[腫瘍性疾患]大腸がん(大腸癌)、肛門がん(肛門癌)、小腸がん(小腸癌)、大腸ポリープ、大腸ポリポーシス
[肛門疾患]痔核・脱肛、痔瘻・肛門周囲膿瘍、裂肛、直腸脱、肛門ポリープ
[炎症性腸疾患]潰瘍性大腸炎、クローン病、虚血性大腸炎、腸ベーチェット病、大腸憩室炎
[機能性腸疾患]便秘、大腸憩室症、偽性腸閉塞症など
[急性腹症]急性虫垂炎、穿孔性腹膜炎、腸閉塞症、急性腸間膜血管閉塞症など
帝京大学医学部附属病院下部消化管外科では、これらを題材に専門医(外科医)の目線から帝京大腸コムへ投稿していく予定です。