ロボット支援下直腸手術

da Vinci Xi Surgical Systemによるロボット支援下直腸手術

ロボット(商品名daVinci ダビンチ)のアームは、関節機能付きインストゥルメントによりヒトの手よりも曲がり、回転することができます。また、手ぶれの補正ができることにより、より安全に手術が行えるのではと考えられています。従来の一般的な腹腔鏡下手術よりも複雑で細やかな手術を可能としており、また3次元による正確な画像情報を取得できるため、より安全かつ低侵襲な手術が可能となります。

日本では、2012年4月に前立腺癌に対するロボット支援手術が保険適応となり、その後2018年4月よりロボット支援下直腸手術が保険適応となりました。
当院におきましても、2019年よりロボット支援下直腸手術を開始しております。

対象

直腸癌等の患者さんを対象とし、ダビンチXiを用いたロボット支援下直腸手術を行います。
ただし、ロボット支援下手術を希望されても、患者さんの状態、腫瘍の進行度により腹腔鏡手術や開腹手術をお勧めする場合があります。

費用

入院及び手術にかかる患者さんの診療費負担金額は、一般的な腹腔鏡下直腸手術と同等で保険診療で行われます。
診療行為以外の費用(室料差額、食事代、病衣代、文書料など)は別途患者負担となるのも同様です。

方法

当院では直腸癌等に対して年間60-70例程度の通常腹腔鏡下手術を行っておりますが、その通常行っている腹腔鏡下手術の対象者のうち適切と思われる患者さんに対して、ダビンチXiを用いてロボット支援下手術を行います。施行する手術内容(創の大きさ、切除する直腸の範囲、リンパ節を切除する範囲など)は腹腔鏡下手術と変わりません。通常手術との違いは手術道具としてダビンチXiを使用することのみです。

術者

「日本内視鏡外科学会の消化器外科領域ロボット支援下内視鏡手術導入に関する指針」に基づき、術者は、日本消化器外科専門医、日本内視鏡外科学会技術認定医、さらに手術支援ロボットについての技術研修を終了している 教授 橋口陽二郎 あるいは 病院准教授 野澤慶次郎が務めます。

da Vinci Xi Surgical System(ダビンチXi)の概要

ダビンチは1990年代に米国で開発され、1999年よりIntuitive Surgical社から臨床用機器として販売された手術支援ロボットです。当院では最新のダビンチXiが導入されています。

da Vinci Xi Surgical System(ダビンチXi)の概要

図 da Vinci Xi Surgical System(ダビンチXi)

ダビンチは、「Patient-side Cart」、「Vision System」、「Surgeon Console」 の3つから構成されています。術者は「Surgeon Console」で3Dモニター画面を見ながらロボットアームを操作して手術を行います。
立体的な3Dモニター画像でのダビンチの手術は、限られた空間での精密な作業を正確に行うことにより低侵襲で確実な、機能温存に優れた手術を実現すること目指しています。