大腸癌化学療法
大腸癌治療の柱は、内視鏡的治療、手術治療、化学療法(抗癌剤治療)、放射線療法です。実際には病気の状態に応じてこれらを組み合わせて治療を行います(集学的治療)。大腸癌はもともと抗癌剤が効きにくい癌であり病変を完全に摘出する以外には有効な治療法がない、とされていました。しかし最近、大腸癌に対する抗癌剤の進歩は目覚ましく、むしろ大腸癌は抗癌剤が効く癌とされるまでに進歩しています。治療薬の選択肢も非常に増えており、学会のガイドラインに示されるように(図)、治療薬が患者さんに合わなかった(効果が弱かった、副作用が強かったなど)場合でも、薬をかえて有効な治療を行える可能性が高まっています。またこれらの進歩した化学療法を手術治療と組み合わせる形で、手術の前や後に手術の補助療法として行うことで、手術が難しかった大腸癌が安全に手術できるようになったり、手術後の再発を減らしたりすることができるようになりました。当診療科は外科で手術を得意としておりますが、この化学療法についても非常に精通しております。補助的な化学療法を行ってから手術をしたり、手術後に再発予防として化学療法を行ったり、また手術を受けられた患者さんに再発が起こった場合の化学療法を行ったりする場合でも、すべての治療に関して最新の治療を一貫して(診療科を変わったり、病院を移ったりすることなく)行うことが可能であり、この診療体制は大腸癌の患者さんにとって非常に大きなメリットがあると考えています。