‘ニュース & トピックス’ カテゴリーのアーカイブ

魚の骨

2013 年 4 月 16 日 火曜日

皆さんは、魚の骨はちゃんと外してたべてますか?
中には骨ごと丸のみしちゃう方もいるのかと。。。。
先日、緊急手術をした患者さんの話です。
お腹が痛いと言って来院され、いろいろ調べたところ、なにやらお腹の中に魚の骨らしきものが写り、そこが炎症をおこしてました。
抗生剤による内科的治療では症状は良くならず、結局、そこが原因でお腹のなかに膿溜まりを作ってしまい、緊急手術をすることに。
手術は膿瘍という膿溜まりをとってきただけで済みましたが、結局、消化管のどこからその骨がお腹の中に出たか分かりませんでした。
膿溜まりの中にはやはり3cmくらいの長さの魚の骨らしきものがありました。
術後経過は良好で、とくに合併症もなく退院されました。
その患者さんに普段の食生活を聞くと、やはり魚は普段から骨ごとバリバリたべてたとのことでした。
魚の骨を丸飲みにしたら絶対こうなるというわけではありません。
問題なければ普通は便と一緒に排出されます。
しかし、時として、骨が胃や腸のどこかに引っ掛かり、そして腸管を貫き、こういった状態になってしまうこともあります。
日本の文献だけでも報告はそこそこありますし、魚の骨意外には鳥の骨なども原因の一つとなりうるのです。
魚の骨、鳥の骨などはできるだけ飲み込まないようにして、食べるならしっかりよく噛むことが大切かと思います。

山田
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腸閉塞とは何でしょうか?

2013 年 4 月 12 日 金曜日

腸閉塞(ileus:イレウス)とは、腸の内容物が肛門側に進まない病態のことをいいます。
通過障害が起きると腸内の腸液やガスが肛門から排泄されないために腸が膨らみ、
激しい腹痛、嘔気、嘔吐、腹部膨満が生じます。
病歴や腹部レントゲン、CT等で腸管の拡張や閉塞部位、閉塞の原因を調べます。
腸閉塞は原因により機械的腸閉塞と機能的腸閉塞に分けられます。

<機械的腸閉塞>
単純性(閉塞性)腸閉塞:
腸管の血行不全を伴わないものです。大半は腹部手術後の腸管の癒着によるものです。
また大腸癌などの腫瘍によるものもあります。
複雑性(絞扼性)腸閉塞:
腸管の血行不全を伴うものです。ヘルニアがはまり込んだり、腸が捻れたり、策状物により腸の血流が断たれることで生じます。急激に病状が悪化し、全身状態が重篤になります。

<機能的腸閉塞>
麻痺性腸閉塞:
腸管運動が麻痺したものです。腹膜炎による炎症や腹部手術後に腸の動きを司る神経の異常、腹腔内の膿瘍形成などで生じます。
痙攣性腸閉塞:
腸管が痙攣し収縮したものです。神経衰弱やヒステリー、鉛・ニコチンなどの中毒により生じます。

腸閉塞が疑われた場合は禁飲食、点滴加療が必要なため入院が必要です。
鼻から胃や腸までチューブを入れて、腸内に溜まった腸液を外に出し減圧します。
排ガスや排便が認められ、レントゲンにて異常ガス像が消失していれば改善が考えられます。
しかし、腫瘍によるものや絞扼性の場合は外科手術が必要になります。

臨床助手

良薬は口に苦し

2013 年 4 月 10 日 水曜日

大腸癌治療の三本柱は手術・化学療法(抗癌剤など)・放射線治療です。
手術療法では大部分の患者さまに腹腔鏡手術が行われるようになり、術後の痛みは随分と少なくなり、体力の回復も早くなりました。
化学療法の進歩は特に目覚ましく、効果は一段と高まってきています。
放射線療法も直腸癌の術前などに行うことで治療成績が向上することが分かってきました。
しかし一方で、化学療法や放射線治療によって副作用が出てしまうこともあります。
多くの副作用は比較的軽いもので、副作用を軽減するためのいろいろな支持療法も行われ、治療を継続できる場合がほとんどです。
また、一部の化学療法や放射線治療では副作用の出た場合のほうが治療効果も高いことが分かってきました。「良薬は口に苦し」ということわざがありますが、最新の大腸癌治療にもこれがあてはまるというのは何とも不思議な感じがします。しかしながら、副作用が出ないほうが優れた治療であることは間違いなく、我々も治療効果を高めつつ副作用も減らしていけるように最大限努力しています。

石原
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下部消化管外科ホームページ立ち上げに際して

2013 年 4 月 1 日 月曜日

念願の帝京大学下部消化管外科のホームページが立ち上がりました。これも一重に、スタッフ一同の頑張りのおかげと感謝しております。
本ホームページの内容は、一般の方はもちろんのこと、医師、研修医、医学生に当下部消化管外科の診療、教育、研究内容をご紹介することが主たる目的ですが、それにとどまらず、医学一般に関する情報、感想なども適宜ブログ等にて公開していきたいと考えております。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

橋口
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