原因不明の胃痛について

2014年4月9日

原因不明の胃痛について

胃痛、胃もたれ、胸やけがする、食後に何となく不快感があるといった様々な症状が
慢性的に続いている。この状態をディスペプシア(dyspepsia)といいます。

胃内視鏡検査を受けても潰瘍や逆流性食道炎、胃炎などが見つからないといった経験を
された方もおられるのではないでしょうか。

それは機能性ディスペプシア(functional dyspepsia:FD)の可能性があります。
かつては慢性胃炎や神経性胃炎と診断されていました。
そもそも胃炎とは胃の粘膜に炎症が生じている状態です。

しかし、FDでは、食後の胃もたれ、膨満感、心窩部痛(みぞおちの辺りの痛み)、
心窩部灼熱感が主な症状であり、胃粘膜に病変は認めません。
胃に食物が入っても胃がうまく拡がらない、食物をうまく胃から十二指腸に遅れない状態が生じると胃もたれ感などの症状を引き起こします。

胃壁の知覚が過敏になっていると胃酸により心窩部痛や灼熱感が生じることがあります。
また、ストレスなどの心理的・社会的要因も関係があるとされています。
治療法としては制酸剤や胃運動機能改善薬、また抗不安薬内服による治療があります。
最近になりFDに特化した内服薬もでてきました。
食生活や睡眠などの生活習慣を見直すことも大切です。

臨床助手

胃痛


Posted by 帝京大腸.com|帝京大学医学部附属病院下部消化管外科 東京都板橋区 at 12:42 / ニュース & トピックス コメント&トラックバック(0)

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